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ベールを脱ぐエンハーツの実力

第112回 第一三共が担う国産抗体医薬の逆襲

生島准

2020年1月15日号

 開発した当人である第一三共すら驚いた。 米国食品医薬品局(FDA)は、19年12月20日、同社が開発した次世代抗体薬剤複合体(ADC)「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)を、2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移性乳がんの治療薬として製造販売を認可した。第一三共と英アストラゼネカが申請したのが19年10月10日だから、わずか2ヵ月で承認に漕ぎ着けたことになる。迅速承認の指定を受けていたが、年越しの承認を予想していた関係者は唖然とした。この結果、治験開始からわずか4年4ヵ月で販売認可を得ることとなり、「カドサイラ」が持つ4年6ヵ月の記録を破り、米国史上2番目の最短審査期間で実用化した生物製剤となった。そして、満を持して1月7日に販売を開始した。 その理由は、エンハーツの卓越した有効性と安全性にほかならない。当面のライバルはカドサイラであ...  開発した当人である第一三共すら驚いた。 米国食品医薬品局(FDA)は、19年12月20日、同社が開発した次世代抗体薬剤複合体(ADC)「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)を、2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移性乳がんの治療薬として製造販売を認可した。第一三共と英アストラゼネカが申請したのが19年10月10日だから、わずか2ヵ月で承認に漕ぎ着けたことになる。迅速承認の指定を受けていたが、年越しの承認を予想していた関係者は唖然とした。この結果、治験開始からわずか4年4ヵ月で販売認可を得ることとなり、「カドサイラ」が持つ4年6ヵ月の記録を破り、米国史上2番目の最短審査期間で実用化した生物製剤となった。そして、満を持して1月7日に販売を開始した。 その理由は、エンハーツの卓越した有効性と安全性にほかならない。当面のライバルはカドサイラである。

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