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医政羅針盤

全世代型社会保障検討会議「中間報告」をめぐって

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2020年1月15日号

 12月19日、政府の「全世代型社会保障検討会議」は「中間報告」を取りまとめた。医療では、後期高齢者の患者負担の2割への引き上げが大きな争点となったが、議論の過程も患者負担増の検討に偏っており、今後の医療政策のあり方について包括的な方向性を示すものとはならなかった。安倍晋三首相が昨年7月の参院議員選挙の最中に、10%超への消費税増税の議論を封印する意向を示したこともあり、給付抑制=患者負担増へと偏らざるを得なかった。  高齢者の患者負担は、69歳までは現役世代と同じく3割であるのに対して、70~74歳は2割、75歳以上は1割負担となっている。ただし、現役並みの所得があれば3割負担である。「現役世代の負担上昇を抑え」るため、「負担能力に応じたものへと改革していく必要がある」として、後期高齢者で1割負担となっている対象のうち、一定所得以上の場合には2割...  12月19日、政府の「全世代型社会保障検討会議」は「中間報告」を取りまとめた。医療では、後期高齢者の患者負担の2割への引き上げが大きな争点となったが、議論の過程も患者負担増の検討に偏っており、今後の医療政策のあり方について包括的な方向性を示すものとはならなかった。安倍晋三首相が昨年7月の参院議員選挙の最中に、10%超への消費税増税の議論を封印する意向を示したこともあり、給付抑制=患者負担増へと偏らざるを得なかった。  高齢者の患者負担は、69歳までは現役世代と同じく3割であるのに対して、70~74歳は2割、75歳以上は1割負担となっている。ただし、現役並みの所得があれば3割負担である。「現役世代の負担上昇を抑え」るため、「負担能力に応じたものへと改革していく必要がある」として、後期高齢者で1割負担となっている対象のうち、一定所得以上の場合には2割負

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