医薬経済オンライン

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一筆入魂

「引き算」できぬ医師が招く薬害・老年症候群

パンドラの箱を開ける医療の歪み

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2020年1月15日号

 先日、後輩記者とともに、高齢者の減薬に取り組んでいる兵庫県立ひょうごこころの医療センター認知症疾患医療センター長の小田陽彦医師を訪ねたときのことだ。  高齢者のポリファーマシーについて、こう表現した。 「今の医師は、足し算はできるが引き算ができない」  急性期を過ぎた高齢者に必要な薬剤は、せいぜい1つか2つ。それが多いと10剤もの薬が処方されるのは、医師が引き算を知らないからだという。  例えば、処方された薬剤で副作用が起きると、さらに薬剤を足していく。またその薬剤で異常をきたすと、さらに薬剤が追加される。副作用の原因薬剤を突き止めて減薬するという発想が、そもそもないと小田医師は嘆く。  後輩記者が手掛けた「薬害・老年症候群―奪われた高齢者の“尊厳”」(小社RISWEB限定連載)の取材に付き合...  先日、後輩記者とともに、高齢者の減薬に取り組んでいる兵庫県立ひょうごこころの医療センター認知症疾患医療センター長の小田陽彦医師を訪ねたときのことだ。  高齢者のポリファーマシーについて、こう表現した。 「今の医師は、足し算はできるが引き算ができない」  急性期を過ぎた高齢者に必要な薬剤は、せいぜい1つか2つ。それが多いと10剤もの薬が処方されるのは、医師が引き算を知らないからだという。  例えば、処方された薬剤で副作用が起きると、さらに薬剤を足していく。またその薬剤で異常をきたすと、さらに薬剤が追加される。副作用の原因薬剤を突き止めて減薬するという発想が、そもそもないと小田医師は嘆く。  後輩記者が手掛けた「薬害・老年症候群―奪われた高齢者の“尊厳”」(小社RISWEB限定連載)の取材に付き合って

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