間違いだらけのHTA
臓器横断型がん治療薬をめぐるNICEの動き
第55回
横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット/東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中
2020年2月1日号
1月17日、英NICEはNTRK融合遺伝子陽性患者への臓器横断型治療薬である、バイエルのTRK阻害剤「ラロトレクチニブ」(「ビトラクビ」、日本未承認)について、ACD(仮決定段階の文書)で非推奨の判断を下した。NICEがリリースで〝画期的な抗がん剤に関し、さらなるデータ収集を奨励”と銘打っていることを考えても最終結論のFADで評価が変わる可能性は十分にある。今回はこの内容と背景を紹介したい。
通常のNICEの評価は「転移性非小細胞肺がんの扁平上皮がんの患者に対する『オプジーボ』」のように、薬剤と適応症と患者集団をある程度区切ってなされる。特定かつ希少な遺伝子変異の有無に着目し、どの部位かを問わずに横断的に適応される臓器横断的抗がん剤をどのように評価するかは、それ自体がひとつの論点となり得る。
同種の治療として先行するMSI–H(高...
1月17日、英NICEはNTRK融合遺伝子陽性患者への臓器横断型治療薬である、バイエルのTRK阻害剤「ラロトレクチニブ」(「ビトラクビ」、日本未承認)について、ACD(仮決定段階の文書)で非推奨の判断を下した。NICEがリリースで〝画期的な抗がん剤に関し、さらなるデータ収集を奨励”と銘打っていることを考えても最終結論のFADで評価が変わる可能性は十分にある。今回はこの内容と背景を紹介したい。
通常のNICEの評価は「転移性非小細胞肺がんの扁平上皮がんの患者に対する『オプジーボ』」のように、薬剤と適応症と患者集団をある程度区切ってなされる。特定かつ希少な遺伝子変異の有無に着目し、どの部位かを問わずに横断的に適応される臓器横断的抗がん剤をどのように評価するかは、それ自体がひとつの論点となり得る。
同種の治療として先行するMSI–H(高頻
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