医薬経済オンライン

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日本の刑事司法に浴びせられた冷水

ゴーン氏の逃亡劇、今後どうなる?

元特捜部主任検事 前田恒彦

2020年2月1日号

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏による電撃的な逃亡劇から1ヵ月。早くも事態は膠着状態に陥りつつある。  特捜部が保釈中の大物に逃亡されたのは2度目だ。97年にもイトマン事件の主犯だった許永中氏に逃げられた。しかし、このときは法要のために裁判所の許可を得て韓国に行き、そのまま行方をくらませただけだった。綿密に計画されたプライベートジェットによる密出国など前代未聞だ。  裁判所もただちにゴーン氏の保釈を取り消し、保釈保証金15億円を取り上げた。これまでは許氏の6億円が最高額だったから、記録が大きく塗り替えられたかたちだ。これで検察はゴーン氏を再び拘置所に収容できる。しかし、許氏の場合、生活の拠点がある日本に舞い戻って潜伏するなか、2年後に東京で確保されたが、ゴーン氏は日本に何の未練もない。  しかも、裁判所に与...  日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏による電撃的な逃亡劇から1ヵ月。早くも事態は膠着状態に陥りつつある。  特捜部が保釈中の大物に逃亡されたのは2度目だ。97年にもイトマン事件の主犯だった許永中氏に逃げられた。しかし、このときは法要のために裁判所の許可を得て韓国に行き、そのまま行方をくらませただけだった。綿密に計画されたプライベートジェットによる密出国など前代未聞だ。  裁判所もただちにゴーン氏の保釈を取り消し、保釈保証金15億円を取り上げた。これまでは許氏の6億円が最高額だったから、記録が大きく塗り替えられたかたちだ。これで検察はゴーン氏を再び拘置所に収容できる。しかし、許氏の場合、生活の拠点がある日本に舞い戻って潜伏するなか、2年後に東京で確保されたが、ゴーン氏は日本に何の未練もない。  しかも、裁判所に与え

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