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医工連携

細胞シート再生医療を拓く

医工連携の実践者16 岡野光夫 米ユタ大学教授・東京女子医科大学特任教授

2020年2月15日号

 角膜、心筋、歯根膜、膝軟骨、食道パッチ、肺パッチ、中耳腔パッチなど実用化された多くの再生医療に共通して用いられているのが、患者自身の分化済み成体細胞を体外でシート状に培養してから移植する技術で、その開発者が岡野光夫氏(米ユタ大学教授・東京女子医科大学特任教授、元同先端生命医科学研究所所長)だ。  それまでの細胞移植では培養皿から細胞を外す際に酵素を用いており、細胞自体の構造・機能が損なわれて移植成績が上がらなかったのを、培養時の37℃から20℃へと温度を下げるだけで細胞がシート状のまま外れる培養皿を90年に発明、臓器ごとに最適な培養条件や移植方法を医師と二人三脚で探して実用化につなげてきた。  また、欧米の後追いではない独自の研究が育つ土壌の必要性を強く感じ、専門分野や所属組織の異なる研究者同士が日常的に顔を...  角膜、心筋、歯根膜、膝軟骨、食道パッチ、肺パッチ、中耳腔パッチなど実用化された多くの再生医療に共通して用いられているのが、患者自身の分化済み成体細胞を体外でシート状に培養してから移植する技術で、その開発者が岡野光夫氏(米ユタ大学教授・東京女子医科大学特任教授、元同先端生命医科学研究所所長)だ。  それまでの細胞移植では培養皿から細胞を外す際に酵素を用いており、細胞自体の構造・機能が損なわれて移植成績が上がらなかったのを、培養時の37℃から20℃へと温度を下げるだけで細胞がシート状のまま外れる培養皿を90年に発明、臓器ごとに最適な培養条件や移植方法を医師と二人三脚で探して実用化につなげてきた。  また、欧米の後追いではない独自の研究が育つ土壌の必要性を強く感じ、専門分野や所属組織の異なる研究者同士が日常的に顔を突

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