医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

淡々と受け入れた父の死と残された薬のメッセージ

第104回

鳥集徹

2020年2月15日号

 1月9日、父が亡くなった。86年の生涯だった。 昨年秋頃から著しく栄養状態が悪くなり、1ヵ月ほど前から入院していた。だが、母の話だと病室でよくしゃべり、急を要する状態ではないというので、父を看ている母の負担も考慮して、年末年始は関西への帰省を見送った。ところが8日、母に電話すると、父の肺に水が溜まり、酸素吸入を始めたという。 これは予断を許さないと感じ、仕事の約束をキャンセルして9日に帰る段取りをつけた。ところが、その午前4時過ぎ、「お父様の血圧が下がっていますので、すぐ来てください」と病院から連絡があった。バタバタと出かける準備をしていると、6時頃、今度は母から電話があり、「今、お父さん亡くなった」と告げられた。予想以上に速い展開で、結局、父の死に目に会うことは叶わなかった。 父は4年前、すでに骨転移のある状態で前立腺がんが見つかった。ホルモ...  1月9日、父が亡くなった。86年の生涯だった。 昨年秋頃から著しく栄養状態が悪くなり、1ヵ月ほど前から入院していた。だが、母の話だと病室でよくしゃべり、急を要する状態ではないというので、父を看ている母の負担も考慮して、年末年始は関西への帰省を見送った。ところが8日、母に電話すると、父の肺に水が溜まり、酸素吸入を始めたという。 これは予断を許さないと感じ、仕事の約束をキャンセルして9日に帰る段取りをつけた。ところが、その午前4時過ぎ、「お父様の血圧が下がっていますので、すぐ来てください」と病院から連絡があった。バタバタと出かける準備をしていると、6時頃、今度は母から電話があり、「今、お父さん亡くなった」と告げられた。予想以上に速い展開で、結局、父の死に目に会うことは叶わなかった。 父は4年前、すでに骨転移のある状態で前立腺がんが見つかった。ホルモン剤

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence