医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

世界の医薬品業界

高い薬が選ばれる米国流通の「闇」

第155回

研ファーマ・ブレーン 永江研太郎

2020年2月15日号

 米国では薬局がジェネリックのないブランド品(シングルソース)を購入する価格はメーカーが設定したリスト価格に準じた価格と決まっている。これは大手薬局チェーンでも個人薬局でも変わらない。  これらのブランド品は卸がメーカーから購入する価格も同じであり、最も購入額の大きい卸だからといってメーカーが値引きすれば独占禁止法違反だ。卸が購入する価格も薬局へ販売する価格も決まっているので、これらのシングルソースはどの卸の粗利率も同じである。メーカーに対して30日以内に現金で支払えば2%引きの価格となるため、現在の米国医薬品卸の粗利益のほとんどはこの2%が占めている。売差はごくわずかだ。  ただし、病院向けの注射剤(とくに点滴静注)の価格はメーカーが病院グループや病院の共同購入会社、それを支払う医療保険会社(PBMではない)などと交渉し...  米国では薬局がジェネリックのないブランド品(シングルソース)を購入する価格はメーカーが設定したリスト価格に準じた価格と決まっている。これは大手薬局チェーンでも個人薬局でも変わらない。  これらのブランド品は卸がメーカーから購入する価格も同じであり、最も購入額の大きい卸だからといってメーカーが値引きすれば独占禁止法違反だ。卸が購入する価格も薬局へ販売する価格も決まっているので、これらのシングルソースはどの卸の粗利率も同じである。メーカーに対して30日以内に現金で支払えば2%引きの価格となるため、現在の米国医薬品卸の粗利益のほとんどはこの2%が占めている。売差はごくわずかだ。  ただし、病院向けの注射剤(とくに点滴静注)の価格はメーカーが病院グループや病院の共同購入会社、それを支払う医療保険会社(PBMではない)などと交渉して

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence