医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

役割増す患者団体への製薬マネー

第12回

医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦

2020年2月15日号

 前回に続き英国の製薬マネーの話をしたい。製薬マネーの調査に長年取り組んできたバース大学の社会学者ピョートル・オジエランスキー氏によると、現在、英国では患者団体に支払われた製薬マネーが注目を集めているという。 実際、世界5大誌のひとつである英国医学誌(BMJ)は19年以降、このテーマで4本の論文を掲載している。そのなかに、オジエランスキー氏が執筆した論文もある。 オジエランスキー氏らのチームは、英国製薬産業協会(ABPI)に所属する製薬企業が12年から16年にかけて実施した患者団体への支払いについて調査した。その結果、5年間で製薬企業64社が508の患者団体に4572件、総額81億円を支払っていたことが明らかになった。特筆すべきは、上位5件で支払い総額の約20%を占めていたことだ。筆頭は、武田薬品が骨髄腫患者団体の「Myeloma UK」に研究目的で支払った8億4000万円であった...  前回に続き英国の製薬マネーの話をしたい。製薬マネーの調査に長年取り組んできたバース大学の社会学者ピョートル・オジエランスキー氏によると、現在、英国では患者団体に支払われた製薬マネーが注目を集めているという。 実際、世界5大誌のひとつである英国医学誌(BMJ)は19年以降、このテーマで4本の論文を掲載している。そのなかに、オジエランスキー氏が執筆した論文もある。 オジエランスキー氏らのチームは、英国製薬産業協会(ABPI)に所属する製薬企業が12年から16年にかけて実施した患者団体への支払いについて調査した。その結果、5年間で製薬企業64社が508の患者団体に4572件、総額81億円を支払っていたことが明らかになった。特筆すべきは、上位5件で支払い総額の約20%を占めていたことだ。筆頭は、武田薬品が骨髄腫患者団体の「Myeloma UK」に研究目的で支払った8億4000万円であった。

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