医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

間違いだらけのHTA

英NICEの新基本原則13項目

第56回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット/東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2020年3月1日号

 HTA(医療技術評価)は狭義であれ広義であれ、ただ単に費用対効果、より具体的にはICER(増分費用効果比)を求めればそれでよし、のような領域ではない。狭義のHTAのプロセスは費用対効果の結果の政策への「応用」であり、政策に「直結」ではない。だからこそ、費用対効果以外の要素の考慮、すなわちアプレイザル(総合的評価)の過程がとても重要だ。 英国NICEのアプレイザルの過程または終末期特例などの「敗者復活戦」を議論する際に、その根拠としてよく参照されるのが「Social Value Judgement」(社会的価値判断)の文書だ。05年に初版がNICEから発行され、08年に改訂版が出た。終末期特例や平等性・イノベーションの評価など、アプレイザルの場で考慮されるべき多くの要素がこの文書に盛り込まれている。文書作成には、市民から選ばれた代表による評議会の結果が反映されており、例えば終末期...  HTA(医療技術評価)は狭義であれ広義であれ、ただ単に費用対効果、より具体的にはICER(増分費用効果比)を求めればそれでよし、のような領域ではない。狭義のHTAのプロセスは費用対効果の結果の政策への「応用」であり、政策に「直結」ではない。だからこそ、費用対効果以外の要素の考慮、すなわちアプレイザル(総合的評価)の過程がとても重要だ。 英国NICEのアプレイザルの過程または終末期特例などの「敗者復活戦」を議論する際に、その根拠としてよく参照されるのが「Social Value Judgement」(社会的価値判断)の文書だ。05年に初版がNICEから発行され、08年に改訂版が出た。終末期特例や平等性・イノベーションの評価など、アプレイザルの場で考慮されるべき多くの要素がこの文書に盛り込まれている。文書作成には、市民から選ばれた代表による評議会の結果が反映されており、例えば終末期特例

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence