技術革新と製薬企業の明日
感染拡大「新型肺炎」 光明はmRNAワクチンにあり
第114回 米欧中日で先陣争いが始まった
生島准
2020年3月15日号
世界保健機関は中国におもねり、パンデミック宣言を発していないが、新型コロナウイルス(SARS–CoV–2)は世界100ヵ国以上で感染者が発生した。紛れもない中国武漢発のパンデミックだ。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は「流行は年内で収まらず、ひょっとしたら年を超えるかも知れない」と表明した。まるで先が見えない不安に国民は苛まされている。
不安の解消には、SARS–CoV–2に対する治療薬やワクチンの開発が一番だ。AIDS治療薬「カトレラ」、新型インフルエンザ治療薬「アビガン」、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」(第Ⅲ相)から、喘息薬の吸入用ステロイド「シクレソニド」などで有効性を示す情報が流れている。だが、症例数が少なく、きちっとしたデータが出るまで、どの医薬品が有効かは判断できない状況だ。また、ウイルスのゲノム情報に基づいて、新薬スク...
世界保健機関は中国におもねり、パンデミック宣言を発していないが、新型コロナウイルス(SARS–CoV–2)は世界100ヵ国以上で感染者が発生した。紛れもない中国武漢発のパンデミックだ。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は「流行は年内で収まらず、ひょっとしたら年を超えるかも知れない」と表明した。まるで先が見えない不安に国民は苛まされている。
不安の解消には、SARS–CoV–2に対する治療薬やワクチンの開発が一番だ。AIDS治療薬「カトレラ」、新型インフルエンザ治療薬「アビガン」、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」(第Ⅲ相)から、喘息薬の吸入用ステロイド「シクレソニド」などで有効性を示す情報が流れている。だが、症例数が少なく、きちっとしたデータが出るまで、どの医薬品が有効かは判断できない状況だ。また、ウイルスのゲノム情報に基づいて、新薬スクリ
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