Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング
台頭する高額薬剤への期待と課題(1)
第79回 医師・患者の視点から
ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻 堀玲子
2020年3月15日号
筆者は30歳代の頃、いわゆる難治性(重症)花粉症を患っていた。スギ花粉の時期になると、抗アレルギー剤、点鼻・点眼薬など、一連の医療費支払い額が一段と上がる。これにマスク、やや高級なティッシュ、刺激の少ない石鹸やシャンプーの出費も加わり、自身のQOLも低下、仕事の効率低下など、いくつもの試練を経てきた。 当時、注射による減感作療法を実施している病院が都内に1施設だけあったが、聞いてみると頻繁に通院する必要があり、費用も高額で、1年のうちの2〜3ヵ月の間の我慢とのトレードオフに値するまでには至らなかった。医師からは私はIgE抗体が普通の人の7倍あると言われていた(ほかの人より高いということだと思うがその当時の数値は不明)。 この業界の仕事をしていくうちに、「ゾレア」(オマリズマブ)に出会った。当時は重症喘息の適応で発売予定だったが、IgEモノクローナル抗...
筆者は30歳代の頃、いわゆる難治性(重症)花粉症を患っていた。スギ花粉の時期になると、抗アレルギー剤、点鼻・点眼薬など、一連の医療費支払い額が一段と上がる。これにマスク、やや高級なティッシュ、刺激の少ない石鹸やシャンプーの出費も加わり、自身のQOLも低下、仕事の効率低下など、いくつもの試練を経てきた。 当時、注射による減感作療法を実施している病院が都内に1施設だけあったが、聞いてみると頻繁に通院する必要があり、費用も高額で、1年のうちの2〜3ヵ月の間の我慢とのトレードオフに値するまでには至らなかった。医師からは私はIgE抗体が普通の人の7倍あると言われていた(ほかの人より高いということだと思うがその当時の数値は不明)。 この業界の仕事をしていくうちに、「ゾレア」(オマリズマブ)に出会った。当時は重症喘息の適応で発売予定だったが、IgEモノクローナル抗体と
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