旧田辺を抱える余裕などない三菱
分水嶺から急降下し待ち受ける未来
2020年4月1日号
世界で2番目に古い製薬会社として知られた田辺三菱製薬が事実上の終焉を迎えた。3月2日、三菱ケミカルホールディングス(HD)が同社の全株式の取得を終え、4月1日からは三菱出身の上野裕明社長の手により、三菱ケミHDが描くヘルスケアビジネスの実現に向けた田辺三菱の“腑分け”作業が本格化する。初代田邊屋五兵衛が設立して以来、341年の歴史を刻んだ大阪・道修町の老舗は、日本の製薬産業の表舞台から姿を消すことになる。
「何でこんなことに……」
三菱ケミHDによる完全子会社が報じられた昨年11月、旧田辺製薬のOBは新聞を眺めながら呟いた。00年代に入って顕在化した国内製薬業界の大再編のなかで、生き残りに向けた危機感は早い段階から強かったものの、一枚上手の競合他社や投資銀行に振り回され続けた。07年にようやく旧三菱ウェルファーマとの合併に漕ぎ着けたあと...
世界で2番目に古い製薬会社として知られた田辺三菱製薬が事実上の終焉を迎えた。3月2日、三菱ケミカルホールディングス(HD)が同社の全株式の取得を終え、4月1日からは三菱出身の上野裕明社長の手により、三菱ケミHDが描くヘルスケアビジネスの実現に向けた田辺三菱の“腑分け”作業が本格化する。初代田邊屋五兵衛が設立して以来、341年の歴史を刻んだ大阪・道修町の老舗は、日本の製薬産業の表舞台から姿を消すことになる。
「何でこんなことに……」
三菱ケミHDによる完全子会社が報じられた昨年11月、旧田辺製薬のOBは新聞を眺めながら呟いた。00年代に入って顕在化した国内製薬業界の大再編のなかで、生き残りに向けた危機感は早い段階から強かったものの、一枚上手の競合他社や投資銀行に振り回され続けた。07年にようやく旧三菱ウェルファーマとの合併に漕ぎ着けたあとも、
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