医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

麻酔と鎮痛への正確な理解

第142回

大西一幸

2020年4月1日号

意識と感覚のない世界 実のところ麻酔科医は何をしているのか ヘンリー・ジェイ・プリスビロー著 小田島由美子訳、勝間田敬弘監修 みすず書房 2019年12月刊  私は、医師が死生観を公に語るべきではないと考えている。尊厳死や平穏死などというものを医師の目線で語るのは個人的には反対。治療のために患者に寄り添う医師が、その患者のために考え抜いたこと、何が最善の選択であるかを語ることは否定しないし、それを指針や希望として捉える人も少なくないと思う。  だが、死生観は患者だけでなく、個々の人の人生観のひとつであり、誰かに影響されたり、ヒントを得たり、充足できなかった思考を補充させたりすることはあっても、実はその専門家などはいない、と思う。死のそばにいることが一般人より圧倒的に多い職業とはいえ、医師がたゆまぬ研鑽で獲得し... 意識と感覚のない世界 実のところ麻酔科医は何をしているのか ヘンリー・ジェイ・プリスビロー著 小田島由美子訳、勝間田敬弘監修 みすず書房 2019年12月刊  私は、医師が死生観を公に語るべきではないと考えている。尊厳死や平穏死などというものを医師の目線で語るのは個人的には反対。治療のために患者に寄り添う医師が、その患者のために考え抜いたこと、何が最善の選択であるかを語ることは否定しないし、それを指針や希望として捉える人も少なくないと思う。  だが、死生観は患者だけでなく、個々の人の人生観のひとつであり、誰かに影響されたり、ヒントを得たり、充足できなかった思考を補充させたりすることはあっても、実はその専門家などはいない、と思う。死のそばにいることが一般人より圧倒的に多い職業とはいえ、医師がたゆまぬ研鑽で獲得した

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