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Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

台頭する高額薬剤への期待と課題(2)

第80回 患者に対する費用開示のジレンマ

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻 堀玲子

2020年4月15日号

 筆者の住んでいる埼玉県の事例で恐縮だが、20年度の医療分野の予算案が発表になった。新規プロジェクトのひとつに、後期研修医の獲得・定着を目的として新たな予算が組まれている。これは臨床研修後も地元に居ついてくれる医師の割合を何とか高めようという県の努力の表れのようである。 具体的には、医学生への研修資金の貸与に7億200万円の予算が付いた。この教育費には最新の海外の学会参加費用や、研修研究のための費用などが含まれているとみられる。 埼玉県でも相対的にがんゲノム治療などの高度医療に多くの予算が割かれているが、なかでも特筆すべき点が、小児がんのCAR―T細胞療法の本格的な実施のための体系的な予算が組まれたことだ。昨今の抗がん剤療法はMRの説明から得られる使用上の注意などをはるかに超えた、詳細な情報や事例・海外の最新の症例探索などが日々必要であり、若い世代の...  筆者の住んでいる埼玉県の事例で恐縮だが、20年度の医療分野の予算案が発表になった。新規プロジェクトのひとつに、後期研修医の獲得・定着を目的として新たな予算が組まれている。これは臨床研修後も地元に居ついてくれる医師の割合を何とか高めようという県の努力の表れのようである。 具体的には、医学生への研修資金の貸与に7億200万円の予算が付いた。この教育費には最新の海外の学会参加費用や、研修研究のための費用などが含まれているとみられる。 埼玉県でも相対的にがんゲノム治療などの高度医療に多くの予算が割かれているが、なかでも特筆すべき点が、小児がんのCAR―T細胞療法の本格的な実施のための体系的な予算が組まれたことだ。昨今の抗がん剤療法はMRの説明から得られる使用上の注意などをはるかに超えた、詳細な情報や事例・海外の最新の症例探索などが日々必要であり、若い世代の医

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