COVID―19で影響の大きい医薬品は | 医薬経済オンライン

世界の医薬品業界

COVID―19で影響の大きい医薬品は

第157回

研ファーマ・ブレーン　永江研太郎

2020年4月15日号

　3月に入って新型コロナウイルス感染症（COVID―19）の影響が世界的に急拡大し、医薬品市場は急変した。いまや世界の臨床試験の20％以上は中国で行われているため、武漢市などの封鎖で治験がストップしただけでなく、世界的に感染が広がって治験ができなくなっているところが増えている。世界的大手の多くは少なくとも新規患者の組み入れをストップしており、今後しばらくは各社がパイプラインにある製品を予定通り上市することは難しくなっている。　昨年、本部をオランダに移した欧州医薬品庁（EMA）は、3月下旬の医薬品承認の審議委員会を初めてオンラインで開催しており、EMAも米国食品医薬品局（FDA）も今年の承認は通常より遅れる可能性が高い。FDAは新薬の承認審査で製造施設に問題がないかどうかを審査するに当たり、当面は4月末まで海外の製造施設の審査をストップしている。FDAは... 　3月に入って新型コロナウイルス感染症（COVID―19）の影響が世界的に急拡大し、医薬品市場は急変した。いまや世界の臨床試験の20％以上は中国で行われているため、武漢市などの封鎖で治験がストップしただけでなく、世界的に感染が広がって治験ができなくなっているところが増えている。世界的大手の多くは少なくとも新規患者の組み入れをストップしており、今後しばらくは各社がパイプラインにある製品を予定通り上市することは難しくなっている。　昨年、本部をオランダに移した欧州医薬品庁（EMA）は、3月下旬の医薬品承認の審議委員会を初めてオンラインで開催しており、EMAも米国食品医薬品局（FDA）も今年の承認は通常より遅れる可能性が高い。FDAは新薬の承認審査で製造施設に問題がないかどうかを審査するに当たり、当面は4月末まで海外の製造施設の審査をストップしている。FDAは政

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