読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
患者が痛いというのが痛み
第144回
大西一幸
2020年5月1日号
心と体の『痛み学』
スコット・フィッシュマン著
橋本須美子訳
原書房
2003年2月刊
今回読んだ本は刊行されて17年も経つ。どうしてこの本を読みたくなったのか。実は私が痛いことが大嫌いだからだ。痛みの好きな人などいるか、と反論されるかもしれないが、私より痛みに平気な人、は大勢いると思う。心の痛みは人それぞれなので、個人の経験をここで語っても意味はないが、体が痛むと、心も痛いような気分になるのは間違いない。どちらにせよ「痛み」が人をへこませることはわかる。
「痛みという感覚はたしかに苦しみに違いないが、別の見方をすると、人間の人間らしい特徴、つまり心と体のつながりを思い出させる感覚であるともいえる。人間が訴える痛みは、知覚と感情が複雑に絡み合った感覚であり、体と心の両方から生まれてくる。肉体の痛み...
心と体の『痛み学』
スコット・フィッシュマン著
橋本須美子訳
原書房
2003年2月刊
今回読んだ本は刊行されて17年も経つ。どうしてこの本を読みたくなったのか。実は私が痛いことが大嫌いだからだ。痛みの好きな人などいるか、と反論されるかもしれないが、私より痛みに平気な人、は大勢いると思う。心の痛みは人それぞれなので、個人の経験をここで語っても意味はないが、体が痛むと、心も痛いような気分になるのは間違いない。どちらにせよ「痛み」が人をへこませることはわかる。
「痛みという感覚はたしかに苦しみに違いないが、別の見方をすると、人間の人間らしい特徴、つまり心と体のつながりを思い出させる感覚であるともいえる。人間が訴える痛みは、知覚と感情が複雑に絡み合った感覚であり、体と心の両方から生まれてくる。肉体の痛みと精
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