医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

予想以上に多い不顕性感染者 コロナのリスクを見直すべきだ

第110回

鳥集徹

2020年5月15日号

 5月2日、神戸市立医療センター中央市民病院が、新型コロナウイルスと関係のない症状で外来を受診した患者1000人の血液を調べたところ、抗体を持つ人の割合が2.7%だったと発表した。神戸市の人口約151万人をもとに計算すると、4月上旬の段階で市民約4万人が感染していたことになり、その数は公表されているPCR陽性者の400倍以上にも上るという。 この結果を受けて、神戸新聞社の取材に応じた同院の木原康樹院長は、公表患者数と大きな隔たりがあり、「本当に、大きな驚きだ」とコメントしている(神戸新聞NEXT5月3日付記事)。 だが、この結果は予想を大きく超えるものではないと思う。木原院長自身もインタビューで話しているとおり、中国や欧米で行われたPCR検査や抗体検査の研究でも、顕在化している患者の何十倍、何百倍もの感染者がいることを示唆する結果が出ているからだ。 これらの検査の精...  5月2日、神戸市立医療センター中央市民病院が、新型コロナウイルスと関係のない症状で外来を受診した患者1000人の血液を調べたところ、抗体を持つ人の割合が2.7%だったと発表した。神戸市の人口約151万人をもとに計算すると、4月上旬の段階で市民約4万人が感染していたことになり、その数は公表されているPCR陽性者の400倍以上にも上るという。 この結果を受けて、神戸新聞社の取材に応じた同院の木原康樹院長は、公表患者数と大きな隔たりがあり、「本当に、大きな驚きだ」とコメントしている(神戸新聞NEXT5月3日付記事)。 だが、この結果は予想を大きく超えるものではないと思う。木原院長自身もインタビューで話しているとおり、中国や欧米で行われたPCR検査や抗体検査の研究でも、顕在化している患者の何十倍、何百倍もの感染者がいることを示唆する結果が出ているからだ。 これらの検査の精度

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