平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
陸自隊員訓練事故死への疑問④
第100回
琉球大学医学部 非常勤講師 照井資規
2020年5月15日号
前回(5月1日号)に続き、06年11月に札幌の自衛隊真駒内駐屯地で発生した徒手格闘訓練時の訓練事故死について、致命傷を受けた場所に関する疑問を考察する。
真実を明らかとする鍵となるのは治療の記録と死体解剖鑑定書、診断書からの「医学上の記録」と被害者が受傷した「事件の現場」である。自衛隊の警務隊が作成する「検視調書」は改ざんの恐れがある。それは、自衛隊の内部調査の開示資料「隊武道練成訓練実施計画」や「申立書」も同様だ。
損傷の鑑定と内部調査との不一致
前回は頭部外傷と肝損傷について医学上の記録から真相を明らかにすべきであると述べたが、自衛隊が遺族に説明すらしていない被害者の身体の損傷がある。
右鼻腔内の出血(鼻血)と肩、背中、胸、両膝の皮下出血がそれであるが、ここに傷害事件が疑われる兆候がある...
前回(5月1日号)に続き、06年11月に札幌の自衛隊真駒内駐屯地で発生した徒手格闘訓練時の訓練事故死について、致命傷を受けた場所に関する疑問を考察する。
真実を明らかとする鍵となるのは治療の記録と死体解剖鑑定書、診断書からの「医学上の記録」と被害者が受傷した「事件の現場」である。自衛隊の警務隊が作成する「検視調書」は改ざんの恐れがある。それは、自衛隊の内部調査の開示資料「隊武道練成訓練実施計画」や「申立書」も同様だ。
損傷の鑑定と内部調査との不一致
前回は頭部外傷と肝損傷について医学上の記録から真相を明らかにすべきであると述べたが、自衛隊が遺族に説明すらしていない被害者の身体の損傷がある。
右鼻腔内の出血(鼻血)と肩、背中、胸、両膝の皮下出血がそれであるが、ここに傷害事件が疑われる兆候がある。事
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