医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

オーストラリアの公開体制が抱える問題

第18回

医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦

2020年5月15日号

 4月15日号に引き続き、オーストラリアの製薬マネーの公開体制について。オーストラリアは、業界団体であるMedicines Australia(MA)による自主規制のもと、07年以来、所属企業が教育イベントなどで行った利益供与を公開してきた。とくに15年以降は、医療者に支払われた個別の謝金を公開するなど透明性を高めている。 MAが医療者への謝金の支払いを公開する根拠となったのが、15年に発行された行動規範の第8版である。もっとも、その内容が称賛されたかと言えば、むしろ、患者団体などからの批判の声が大きかった。この透明化に向けた変化が、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)を中心とした長年の外圧で初めて実現したものだったからだ。強い批判が生じた原因はそれだけではない。時代の流れに逆らうように、MAはこの行動規範改訂により、公開項目を大幅に削減したのだ。 公開が中止されたの...  4月15日号に引き続き、オーストラリアの製薬マネーの公開体制について。オーストラリアは、業界団体であるMedicines Australia(MA)による自主規制のもと、07年以来、所属企業が教育イベントなどで行った利益供与を公開してきた。とくに15年以降は、医療者に支払われた個別の謝金を公開するなど透明性を高めている。 MAが医療者への謝金の支払いを公開する根拠となったのが、15年に発行された行動規範の第8版である。もっとも、その内容が称賛されたかと言えば、むしろ、患者団体などからの批判の声が大きかった。この透明化に向けた変化が、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)を中心とした長年の外圧で初めて実現したものだったからだ。強い批判が生じた原因はそれだけではない。時代の流れに逆らうように、MAはこの行動規範改訂により、公開項目を大幅に削減したのだ。 公開が中止されたのは

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