米国の「国内製造回帰」は自国第一主義の帰結か
医薬品自給をめぐるトランプ政権のジレンマ
2020年6月1日号
5月18~19日にウェブ会議形式で開かれた世界保健機関(WHO)総会では、折からの通商対立で燻っていた米中関係が、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のパンデミック問題を契機に、公衆衛生分野でより先鋭化したことを印象付けた。
この問題で米国の分が悪いことは、誰の目にも明らかだ。米国はWHOに対して、約4分の1と国別で最も多い拠出金を負担している。「中国寄り」のWHOに対する拠出金の凍結をチラつかせ、台湾問題を持ち出して揺さぶりをかけたが、逆にその間隙を突くように追加拠出を表明した中国に、保健衛生分野でのプレゼンス強化を許してしまった。
米中はそれぞれ自国企業が世界の新型コロナワクチンの開発をリードしている。だが、もとより感染症危機に国境はなく、だからこそCOVID―19対策では各国や官民の垣根を取り払った「結束」が不可欠...
5月18~19日にウェブ会議形式で開かれた世界保健機関(WHO)総会では、折からの通商対立で燻っていた米中関係が、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のパンデミック問題を契機に、公衆衛生分野でより先鋭化したことを印象付けた。
この問題で米国の分が悪いことは、誰の目にも明らかだ。米国はWHOに対して、約4分の1と国別で最も多い拠出金を負担している。「中国寄り」のWHOに対する拠出金の凍結をチラつかせ、台湾問題を持ち出して揺さぶりをかけたが、逆にその間隙を突くように追加拠出を表明した中国に、保健衛生分野でのプレゼンス強化を許してしまった。
米中はそれぞれ自国企業が世界の新型コロナワクチンの開発をリードしている。だが、もとより感染症危機に国境はなく、だからこそCOVID―19対策では各国や官民の垣根を取り払った「結束」が不可欠で
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