医薬経済オンライン

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読む医療ー医師が書いた本の斜め読みー

「孤立」という根本に目を向けよ

第146回

大西一幸

2020年6月1日号

            『社会的処方』西智弘編著、学芸出版社、2020年2月刊  英国のテレーザ・メイ前首相には、EU離脱問題で悩む姿ばかりが印象に残っているが、今回の読書で18年1月に「孤独担当大臣」ポストをつくった人であることを思い出した。彼女は、孤独は現代の悲しい現実だとして、高齢者介護など福祉政策上の重要なポイントであると社会に訴えた。人を孤立させないための処方、乱暴にまとめて言えば、その処方箋の中身を見ていくのが今回の読書。  示されている内容は目新しくはない。しかし、気が付いているのに、気が付いていないような現実に気付かされる。私のみならず、どんな人でも同書に書かれている具体的なエピソードに似た例を見たことがあると思える。私の母方の祖父。彼は九州の田舎町で暮らしていたが、子どもたち全員が独立後すぐに妻...             『社会的処方』西智弘編著、学芸出版社、2020年2月刊  英国のテレーザ・メイ前首相には、EU離脱問題で悩む姿ばかりが印象に残っているが、今回の読書で18年1月に「孤独担当大臣」ポストをつくった人であることを思い出した。彼女は、孤独は現代の悲しい現実だとして、高齢者介護など福祉政策上の重要なポイントであると社会に訴えた。人を孤立させないための処方、乱暴にまとめて言えば、その処方箋の中身を見ていくのが今回の読書。  示されている内容は目新しくはない。しかし、気が付いているのに、気が付いていないような現実に気付かされる。私のみならず、どんな人でも同書に書かれている具体的なエピソードに似た例を見たことがあると思える。私の母方の祖父。彼は九州の田舎町で暮らしていたが、子どもたち全員が独立後すぐに妻を

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