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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療~

陸自隊員訓練事故死への疑問⑤

第101回

琉球大学医学部 非常勤講師 照井資規

2020年6月1日号

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で進行するなか、憲法記念日の5月3日、日本国憲法施行から73年を迎えた。安倍晋三首相はビデオメッセージで、自衛隊が新型コロナ対応でも任務を着実に遂行していることを強調し、憲法に自衛隊の存在を明記するよう訴えた。だが、これは自衛隊が国民の信頼に足る防衛組織であることをもって初めて実現するものだ。  これまで4回にわたり、06年11月に札幌の陸上自衛隊真駒内駐屯地で発生した、徒手格闘訓練時の訓練事故死について述べてきた。その目的は、この事件がいまだに自衛隊が国民の信頼に足る防衛組織に成り得ていないことの証左だからだ。従って、現在の自衛隊は首相のメッセージや憲法改正に応えられる状態ではない。「自衛隊感染者ゼロ」というのも疑わしい。  現在の自衛隊は、コロナ禍により、新規入隊者を募集するうえで...  新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で進行するなか、憲法記念日の5月3日、日本国憲法施行から73年を迎えた。安倍晋三首相はビデオメッセージで、自衛隊が新型コロナ対応でも任務を着実に遂行していることを強調し、憲法に自衛隊の存在を明記するよう訴えた。だが、これは自衛隊が国民の信頼に足る防衛組織であることをもって初めて実現するものだ。  これまで4回にわたり、06年11月に札幌の陸上自衛隊真駒内駐屯地で発生した、徒手格闘訓練時の訓練事故死について述べてきた。その目的は、この事件がいまだに自衛隊が国民の信頼に足る防衛組織に成り得ていないことの証左だからだ。従って、現在の自衛隊は首相のメッセージや憲法改正に応えられる状態ではない。「自衛隊感染者ゼロ」というのも疑わしい。  現在の自衛隊は、コロナ禍により、新規入隊者を募集するうえで重

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