医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

新型コロナ治療薬レムデシビルの使い道

第19回

医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也

2020年6月1日号

 5月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)が、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」に緊急使用許可を与えた。1患者あたり4000ドル以上との予想もある高額薬だ。それを受け日本でも同薬が、製品名「ベクルリー点滴静注液」として5月7日にわずか数日の審査で特例承認された。その条件のひとつに、医薬品の製造販売承認制度が日本と同等水準にある外国で販売が認められる旨がある。日本の承認制度が米国と「同等」であると嘯くのは、「日出処の天子……」の故事を彷彿とさせる絶妙のレトリックだ。  日米で今回の判断の主要な根拠となったのは、米医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に5月22日に掲載された国際共同プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験「ACTT―1」の速報結果だ。入院を要するCOV...  5月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)が、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」に緊急使用許可を与えた。1患者あたり4000ドル以上との予想もある高額薬だ。それを受け日本でも同薬が、製品名「ベクルリー点滴静注液」として5月7日にわずか数日の審査で特例承認された。その条件のひとつに、医薬品の製造販売承認制度が日本と同等水準にある外国で販売が認められる旨がある。日本の承認制度が米国と「同等」であると嘯くのは、「日出処の天子……」の故事を彷彿とさせる絶妙のレトリックだ。  日米で今回の判断の主要な根拠となったのは、米医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に5月22日に掲載された国際共同プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験「ACTT―1」の速報結果だ。入院を要するCOVID―

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