時流遡航
哲学の脇道遊行記 実践的思考法の裏を眺め楽しむ
第18回─困難な事態に遭遇してこそ目覚める本質的な精神─
本田成親
2020年6月15日号
先々の見通しがまったく立たない不安な状況に追い込まれたり、あまりにも苦渋に満ちみちた前途を提示させられたりすると、ほとんどの人は未来を見つめることをやめ、今日一日をどう生きるかということだけに執着するようになります。登山の世界に喩えるならば、高く聳える遥か遠くの山頂を仰ぎやると、そこに至るまでの数々の艱難が偲ばれ足が止まって絶望感に襲われたりもしかねないので、当面は足元だけを見据え、行く手には一切目を向けないで歩いていこうと思うようなものです。
「千里の道も一歩から」という古来の諺に通じる話でもあるのですが、その一歩を踏み進むことにさえも大きな不安や苦痛、ひいては絶望感さえもが伴うような状況だとすれば、もう歩くのをやめ半ば自暴自棄な気分になってその場に居座り続けるか、来た道を引き返すかのどちらかしかありません。
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先々の見通しがまったく立たない不安な状況に追い込まれたり、あまりにも苦渋に満ちみちた前途を提示させられたりすると、ほとんどの人は未来を見つめることをやめ、今日一日をどう生きるかということだけに執着するようになります。登山の世界に喩えるならば、高く聳える遥か遠くの山頂を仰ぎやると、そこに至るまでの数々の艱難が偲ばれ足が止まって絶望感に襲われたりもしかねないので、当面は足元だけを見据え、行く手には一切目を向けないで歩いていこうと思うようなものです。
「千里の道も一歩から」という古来の諺に通じる話でもあるのですが、その一歩を踏み進むことにさえも大きな不安や苦痛、ひいては絶望感さえもが伴うような状況だとすれば、もう歩くのをやめ半ば自暴自棄な気分になってその場に居座り続けるか、来た道を引き返すかのどちらかしかありません。
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