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【深層】日本医師会長選―袂を分かった横倉―尾崎の宿命

「国民のための医師会」の夢描いて

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2020年7月1日号

 選挙戦さなかの6月17日、日医の委員会で同席した横倉氏と中川氏。ほとんど言葉は交わさなかった。  日本医師会長選のあった6月27日以降、まだ2人は連絡を取り合っていない。  その2人とは、12年から4期8年にわたって日医会長を務めてきた横倉義武氏と、対抗した中川俊男新会長の陣営についた東京都医師会長の尾崎治夫氏だ。この2人、浅からぬ因縁がある。  横倉氏は3月と5月の2度、出馬をしないことを、対抗馬と目された中川氏に伝えている。だが、この話が公になると、周囲から強い慰留にあって、横倉氏は翻意した。  結果的に会長選では、191票を獲得した中川氏に対して横倉氏は174票で敗れた。わずか17票の差で、9人が入れ替われば逆転するという僅差だ。  つい数日前の中川陣営選挙対策本部の票読みでは、200...  選挙戦さなかの6月17日、日医の委員会で同席した横倉氏と中川氏。ほとんど言葉は交わさなかった。  日本医師会長選のあった6月27日以降、まだ2人は連絡を取り合っていない。  その2人とは、12年から4期8年にわたって日医会長を務めてきた横倉義武氏と、対抗した中川俊男新会長の陣営についた東京都医師会長の尾崎治夫氏だ。この2人、浅からぬ因縁がある。  横倉氏は3月と5月の2度、出馬をしないことを、対抗馬と目された中川氏に伝えている。だが、この話が公になると、周囲から強い慰留にあって、横倉氏は翻意した。  結果的に会長選では、191票を獲得した中川氏に対して横倉氏は174票で敗れた。わずか17票の差で、9人が入れ替われば逆転するという僅差だ。  つい数日前の中川陣営選挙対策本部の票読みでは、200を優

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