医薬経済オンライン

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茹であがる前に跳べ

「30年先」見据えたJTの自己変革

第9回

ピー・アンド・イー・ディレクションズ ディレクター 木部賢二

2020年7月1日号

 製薬業界の関係者と話をすると、「規制産業であり戦略の自由度が乏しい」「診療報酬改定によって業績が影響を受け、自社努力ではいかんともし難い」といった声をよく聞く。確かにそういった側面は否定できないが、世の中の産業のなかで、最も規制を受けているのは、本当に製薬業界なのだろうか。  かつて「三公社」と呼ばれた公共企業体3社は、現在でも規制を最も受けている企業のひとつと言える。すなわち、JR(旧日本国有鉄道)、JT(日本たばこ産業、旧日本専売公社)、NTT(旧日本電電公社)の3社である。いずれの会社も80年代後半に民営化された際、JR会社法、JT法、NTT法(いずれも通称)という法律が制定され、民業を圧迫しないように、各社が取り組み得る事業内容に関して制限がかけられている。  その後、徐々に規制が緩和されて、例えばNTTグループで言うと、NTT...  製薬業界の関係者と話をすると、「規制産業であり戦略の自由度が乏しい」「診療報酬改定によって業績が影響を受け、自社努力ではいかんともし難い」といった声をよく聞く。確かにそういった側面は否定できないが、世の中の産業のなかで、最も規制を受けているのは、本当に製薬業界なのだろうか。  かつて「三公社」と呼ばれた公共企業体3社は、現在でも規制を最も受けている企業のひとつと言える。すなわち、JR(旧日本国有鉄道)、JT(日本たばこ産業、旧日本専売公社)、NTT(旧日本電電公社)の3社である。いずれの会社も80年代後半に民営化された際、JR会社法、JT法、NTT法(いずれも通称)という法律が制定され、民業を圧迫しないように、各社が取り組み得る事業内容に関して制限がかけられている。  その後、徐々に規制が緩和されて、例えばNTTグループで言うと、NTTデー

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