医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

新型コロナ禍で後発品の原薬輸入依存リスク

第21回

医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也

2020年7月1日号

 フランスのジャーナリストから連絡が入り、日本の医薬品不足の実情に関してスカイプ取材を受けた。新型コロナウイルスにBCGワクチンが予防効果を示す可能性が話題となり、成人の接種希望者が増えて、小児用定期接種ワクチンが不足する事態が一部で懸念された。この問題に関する私たちの英語論文発表が取材のキッカケだ。 欧州ではすでに昨年頃から医薬品不足が注目を集めるようになっていたそうだ。ご存知のように、欧米各国や日本は、医薬品有効成分(API)の供給を中国・インドなど一部の国に大きく依存している。例えば、APIの約4割を中国からの輸入に頼っているフランスでは、在庫不足となった医薬品数は08年からの10年間で20倍に増えたという。欧州各地域にある40万軒の薬局団体で19年に実施された調査では、呼吸器系、循環器系を含む200種類以上の薬剤で供給不足があり、約9割の国で18年より状...  フランスのジャーナリストから連絡が入り、日本の医薬品不足の実情に関してスカイプ取材を受けた。新型コロナウイルスにBCGワクチンが予防効果を示す可能性が話題となり、成人の接種希望者が増えて、小児用定期接種ワクチンが不足する事態が一部で懸念された。この問題に関する私たちの英語論文発表が取材のキッカケだ。 欧州ではすでに昨年頃から医薬品不足が注目を集めるようになっていたそうだ。ご存知のように、欧米各国や日本は、医薬品有効成分(API)の供給を中国・インドなど一部の国に大きく依存している。例えば、APIの約4割を中国からの輸入に頼っているフランスでは、在庫不足となった医薬品数は08年からの10年間で20倍に増えたという。欧州各地域にある40万軒の薬局団体で19年に実施された調査では、呼吸器系、循環器系を含む200種類以上の薬剤で供給不足があり、約9割の国で18年より状況が

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