「鼻うがい」の臨床と有用性を探る
コロナ共生時代の「切り札」となるか(前)
堀田修クリニック院長 日本病巣疾患研究会理事長 堀田 修
2020年7月15日号
新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のパンデミックは世界を一変させた。そして、20年7月には世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの根絶は困難との見解を発表した。残念ながら人類はコロナ共生時代に本格的に突入したのである。
これまでの解析により、COVID―19の主な感染経路は飛沫感染とエアロゾル感染による空気媒介(エアボーン)感染であることが次第に明らかとなった。空気媒介感染の対策として換気とマスク着用は日本の日常生活のなかに既に定着しているが、コロナ共生時代における「切り札」として今後、考慮に値するのが鼻うがい(nasal irrigation)である。
COVID―19に対する鼻うがいのエビデンスはいまのところないが、従来のコロナウイルスを含むウイルス性感冒で、鼻うがいの有効性を示す小規模ランダム化比較試験(RCT)を含む幾つかのエビデンスは...
新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のパンデミックは世界を一変させた。そして、20年7月には世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの根絶は困難との見解を発表した。残念ながら人類はコロナ共生時代に本格的に突入したのである。
これまでの解析により、COVID―19の主な感染経路は飛沫感染とエアロゾル感染による空気媒介(エアボーン)感染であることが次第に明らかとなった。空気媒介感染の対策として換気とマスク着用は日本の日常生活のなかに既に定着しているが、コロナ共生時代における「切り札」として今後、考慮に値するのが鼻うがい(nasal irrigation)である。
COVID―19に対する鼻うがいのエビデンスはいまのところないが、従来のコロナウイルスを含むウイルス性感冒で、鼻うがいの有効性を示す小規模ランダム化比較試験(RCT)を含む幾つかのエビデンスはす
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