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期待できる治療薬はまだある

第118回 光明は回復者血漿療法と抗体医薬

生島准

2020年7月15日号

 新型コロナウイルスの流行が自粛解禁後、再び拡大している。東京都が感染者200人超えを発表した7月9日以降、最大の関心事は感染の抑止から、死亡者の抑止に移行しつつある。唯一の光明はワクチンでもなく、既存薬の転換(ドラッグ・リポジショニング)でもない。エボラ感染症など新興再興感染症で治療効果(POC)が確立されている回復者血漿療法、そしてそれをバイオテクノロジーで持続可能なモノクローナル抗体に置き換えた抗体医薬である。  7月10日、藤田医科大学が中心となって行っていた「アビガン」の特定臨床研究の概要が発表されたが、統計的な有意性を示すことができなかった。富士フイルム富山化学による第Ⅲ相試験の結果を待たなくてはならない。  日本では治療薬として「ベクルリー」が認可されているが、各国で行われた多数の臨床研究ではアビガンとベクルリー...  新型コロナウイルスの流行が自粛解禁後、再び拡大している。東京都が感染者200人超えを発表した7月9日以降、最大の関心事は感染の抑止から、死亡者の抑止に移行しつつある。唯一の光明はワクチンでもなく、既存薬の転換(ドラッグ・リポジショニング)でもない。エボラ感染症など新興再興感染症で治療効果(POC)が確立されている回復者血漿療法、そしてそれをバイオテクノロジーで持続可能なモノクローナル抗体に置き換えた抗体医薬である。  7月10日、藤田医科大学が中心となって行っていた「アビガン」の特定臨床研究の概要が発表されたが、統計的な有意性を示すことができなかった。富士フイルム富山化学による第Ⅲ相試験の結果を待たなくてはならない。  日本では治療薬として「ベクルリー」が認可されているが、各国で行われた多数の臨床研究ではアビガンとベクルリーはほ

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