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医政羅針盤

政策的「正しさ」と政治的妥協

山形大学大学院医学系研究科 医療政策学講座教授 村上正泰

2020年7月15日号

 新型コロナウイルス禍を経たこれからの医療政策には、ますます難しい舵取りが求められる。平時からの医療体制整備の必要性が認識されたことで、医療費を単に「負担」としてしか捉えず、医療費抑制や効率化ありきで考える議論に歯止めが掛かると予想(期待)されると同時に、景気の低迷が長引き、しかも医療分野以外も含めて、大規模な財政支援が続けば、歳入と歳出の両面から、財政を意識した議論が強まるのは間違いない。  その結果、医療界が期待するほどは財政資金が投入されず、むしろ医療費抑制圧力が次第に強まっていく可能性も否定できない。医療分野への財源確保が図られる場合であっても、全体的に底上げされるのではなく、対象が限定される可能性は高い。  新型コロナ禍へのこれまでの対応でも、患者を受け入れている医療機関には、それでも不十分とは言え、診療...  新型コロナウイルス禍を経たこれからの医療政策には、ますます難しい舵取りが求められる。平時からの医療体制整備の必要性が認識されたことで、医療費を単に「負担」としてしか捉えず、医療費抑制や効率化ありきで考える議論に歯止めが掛かると予想(期待)されると同時に、景気の低迷が長引き、しかも医療分野以外も含めて、大規模な財政支援が続けば、歳入と歳出の両面から、財政を意識した議論が強まるのは間違いない。  その結果、医療界が期待するほどは財政資金が投入されず、むしろ医療費抑制圧力が次第に強まっていく可能性も否定できない。医療分野への財源確保が図られる場合であっても、全体的に底上げされるのではなく、対象が限定される可能性は高い。  新型コロナ禍へのこれまでの対応でも、患者を受け入れている医療機関には、それでも不十分とは言え、診療報酬

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