現場が望む社会保障制度
コロナ禍が及ぼす高齢者医療費論議への影響を占う
第63回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2020年8月1日号
新型コロナウイルスの感染拡大は東京都を中心に止まらないなか、いくつかの医療制度改革が再考またはスケジュールの見直しを強いられている。病床削減や在宅医療の充実などを図る「地域医療構想」への影響は5月1日号で指摘したが、原則1割となっている75歳以上高齢者の医療費自己負担をめぐる論議も影響を受けそうだ。
この問題では、政府の全世代型社会保障検討会議(議長=安倍晋三首相、全世代型会議)が昨年12月に取りまとめた中間報告で、「一定所得以上の人は2割、それ以外は1割」という方針を示し、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)医療保険部会が年明け以降、今夏の取りまとめに向けて議論を始めていた。
しかし、新型コロナ禍の影響で議論がストップ。全世代型会議の最終報告も夏から年末に先送りされた。さらに、昨年末の議論では首相官邸サイドが「原則...
新型コロナウイルスの感染拡大は東京都を中心に止まらないなか、いくつかの医療制度改革が再考またはスケジュールの見直しを強いられている。病床削減や在宅医療の充実などを図る「地域医療構想」への影響は5月1日号で指摘したが、原則1割となっている75歳以上高齢者の医療費自己負担をめぐる論議も影響を受けそうだ。
この問題では、政府の全世代型社会保障検討会議(議長=安倍晋三首相、全世代型会議)が昨年12月に取りまとめた中間報告で、「一定所得以上の人は2割、それ以外は1割」という方針を示し、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)医療保険部会が年明け以降、今夏の取りまとめに向けて議論を始めていた。
しかし、新型コロナ禍の影響で議論がストップ。全世代型会議の最終報告も夏から年末に先送りされた。さらに、昨年末の議論では首相官邸サイドが「原則2割
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