避けてはならぬ「安楽死」議論
スキャンダル一色の報道では何も生まない
医療ガバナンス研究所理事長 上 昌広
2020年8月15日号
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性の「安楽死」が世間を騒がせている。患者から依頼された2人の医師が、大量の睡眠薬を投与し、「積極的安楽死」へと導いた。
この2人の医師は、元厚生労働省医系技官と灘高校から東京医科歯科大学へと進んだエリートだった。マスコミ報道は、元医系技官の医師がツイッターに「ドクターキリコになりたい」と投稿していた話や、もうひとりの医師が医師免許を不正取得していた話など、スキャンダル一色だ。
おまけに、日本医師会の中川俊男会長は「嘱託殺人、安楽死議論の契機にすべきではない」と発言する始末。私は一連の報道に接し、暗澹たる気持ちになった。
いまこそ必要なのは患者視点に立った議論だ。ALSという難病を抱え、死を望む患者に我われはどう接するべきか、真剣に考えねばならない。
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性の「安楽死」が世間を騒がせている。患者から依頼された2人の医師が、大量の睡眠薬を投与し、「積極的安楽死」へと導いた。
この2人の医師は、元厚生労働省医系技官と灘高校から東京医科歯科大学へと進んだエリートだった。マスコミ報道は、元医系技官の医師がツイッターに「ドクターキリコになりたい」と投稿していた話や、もうひとりの医師が医師免許を不正取得していた話など、スキャンダル一色だ。
おまけに、日本医師会の中川俊男会長は「嘱託殺人、安楽死議論の契機にすべきではない」と発言する始末。私は一連の報道に接し、暗澹たる気持ちになった。
いまこそ必要なのは患者視点に立った議論だ。ALSという難病を抱え、死を望む患者に我われはどう接するべきか、真剣に考えねばならない。
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