技術革新と製薬企業の明日
まだ投資が必要なワクチン開発日本政府の調達分は緊
第119回
生島准
2020年8月15日号
20年7月31日、加藤勝信厚生労働相の誇らしげな顔がTVニュースを飾った。米ファイザーと21年までに1億2000万回分(6000万人分)のワクチンの調達で合意したのだ。国民から信頼を失いつるある同省の久々の威信回復のニュースだ。8月7日には英アストラゼネカと1億2000万回分(6000万人分)のワクチンの調達で合意した。計1億2000万人分、つまり全国民分のワクチンを確保できて鼻高々だが、果たして国民は本当に安心できるのか。 まず明確にしなくてはならないのは、数万人を登録した大規模な第Ⅲ相試験がまだどのワクチンに関しても公表されていない段階で、特定のワクチンの調達を決めるのは、ギャンブルに等しいということだ。金額は公表されていないが、米国は1000億円単位の資金を投入しており、日本政府も相当な資金を賭けた巨大なワクチン投機に参加している。 日本政府が最初に調達で合意したのが...
20年7月31日、加藤勝信厚生労働相の誇らしげな顔がTVニュースを飾った。米ファイザーと21年までに1億2000万回分(6000万人分)のワクチンの調達で合意したのだ。国民から信頼を失いつるある同省の久々の威信回復のニュースだ。8月7日には英アストラゼネカと1億2000万回分(6000万人分)のワクチンの調達で合意した。計1億2000万人分、つまり全国民分のワクチンを確保できて鼻高々だが、果たして国民は本当に安心できるのか。 まず明確にしなくてはならないのは、数万人を登録した大規模な第Ⅲ相試験がまだどのワクチンに関しても公表されていない段階で、特定のワクチンの調達を決めるのは、ギャンブルに等しいということだ。金額は公表されていないが、米国は1000億円単位の資金を投入しており、日本政府も相当な資金を賭けた巨大なワクチン投機に参加している。 日本政府が最初に調達で合意したのが、
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