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アカデミア主体の日本に展望見えず

第84回 遺伝子治療〜その未来と企業のビジネス力(2)

ジョージメイスン大学大学院(バージニア州)パブリックヘルス専攻 堀玲子

2020年8月15日号

 遺伝子治療の世界市場は年7割のペースで拡大しており、25年には4兆円に達すると言われている。日本では富士フイルムが遺伝子薬の一括生産受託を発表した。製薬企業は開発に注力しているところが多く、生産プロセスを担う会社が不足していたが、富士フイルムの参入で安定したサイクルをつくることができるかもしれない。 遺伝子治療薬の場合、治験での症例数が10例以下ということが多く、通常の医薬品と比較して非常に少ない患者サンプルで進めなければならない。そのため、どうしても使用施設や医師を限定した「条件付き早期承認制度」を利用することになる。少ないサンプルで仮承認を得て早急に臨床で使用可能になることがメリットだが、その反面、患者が受ける医療は指定された施設に限定され、5年間は全例の追跡調査が必要になる。 ただし現場の医師は、希少疾患の患者さんの関心度や要望も高く、...  遺伝子治療の世界市場は年7割のペースで拡大しており、25年には4兆円に達すると言われている。日本では富士フイルムが遺伝子薬の一括生産受託を発表した。製薬企業は開発に注力しているところが多く、生産プロセスを担う会社が不足していたが、富士フイルムの参入で安定したサイクルをつくることができるかもしれない。 遺伝子治療薬の場合、治験での症例数が10例以下ということが多く、通常の医薬品と比較して非常に少ない患者サンプルで進めなければならない。そのため、どうしても使用施設や医師を限定した「条件付き早期承認制度」を利用することになる。少ないサンプルで仮承認を得て早急に臨床で使用可能になることがメリットだが、その反面、患者が受ける医療は指定された施設に限定され、5年間は全例の追跡調査が必要になる。 ただし現場の医師は、希少疾患の患者さんの関心度や要望も高く、で

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