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間違いだらけのHTA

米国発コロナ薬・ワクチンの価格設定方法

第62回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2020年9月1日号

 米国の「臨床経済評価研究所」(ICER組織)は7月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の治療薬とワクチン双方について、価格決定法のあり方を議論した白書を発行した。米国や英国など、開発中のワクチンを一定価格で政府が購入することに合意した国もある。この白書は、前回(8月1日号)紹介した「レムデシビル」(一般名)の評価のように、特定の治療薬やワクチンについて適正価格 (ICER組織の用語では、ベンチマーク価格)を推計するものではない。価格が適切かどうかではなく、むしろ価格の付け方そのものについて、さまざまな選択肢を提示するものである。 白書のタイトルにはCOVID―19が含まれているが、「公衆衛生上の危機が生じている際の、新規の治療薬やワクチンの価格設定法」と、やや幅広く定義している。20世紀初頭のスペイン風邪(有効とされたウイスキーの値段が急上昇した)や、...  米国の「臨床経済評価研究所」(ICER組織)は7月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の治療薬とワクチン双方について、価格決定法のあり方を議論した白書を発行した。米国や英国など、開発中のワクチンを一定価格で政府が購入することに合意した国もある。この白書は、前回(8月1日号)紹介した「レムデシビル」(一般名)の評価のように、特定の治療薬やワクチンについて適正価格 (ICER組織の用語では、ベンチマーク価格)を推計するものではない。価格が適切かどうかではなく、むしろ価格の付け方そのものについて、さまざまな選択肢を提示するものである。 白書のタイトルにはCOVID―19が含まれているが、「公衆衛生上の危機が生じている際の、新規の治療薬やワクチンの価格設定法」と、やや幅広く定義している。20世紀初頭のスペイン風邪(有効とされたウイスキーの値段が急上昇した)や、ポ

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