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そもそも「医療の質」とは何なのか?

第9回 主観的評価尺度「DRS」との出会い

独立行政法人国立病院機構東京医療センター 政策医療企画研究部 臨床疫学研究室 研究員 丹野清美

2020年9月15日号

 大学院内で開かれた修士研究の発表会での出来事である。筆者の発表を聴いたある教授から、「DPC/PDPSにおける治療が標準治療ということは、『医療の質』も標準なのか?」という質問を投げかけられた。  前回まで紹介してきたように、筆者はこの修士研究で、医師の意識が「診療費の差額」のバラつきに影響しているということを、分析によって明らかにした。だが、この教授の質問には回答することができなかった。今回の分析はコスト、すなわち「医療資源投入量」のみの実証であり、「『医療の質』もバラついている」と言うことはできなかったのだ。  考えてみると、そもそも「医療の質」とは何なのか。当時の筆者は、その概念すらもしっかりと理解していなかったのである。  結果として筆者は、「医療の質」を定義し、そしてその後進んだ博士の研究テーマを決...  大学院内で開かれた修士研究の発表会での出来事である。筆者の発表を聴いたある教授から、「DPC/PDPSにおける治療が標準治療ということは、『医療の質』も標準なのか?」という質問を投げかけられた。  前回まで紹介してきたように、筆者はこの修士研究で、医師の意識が「診療費の差額」のバラつきに影響しているということを、分析によって明らかにした。だが、この教授の質問には回答することができなかった。今回の分析はコスト、すなわち「医療資源投入量」のみの実証であり、「『医療の質』もバラついている」と言うことはできなかったのだ。  考えてみると、そもそも「医療の質」とは何なのか。当時の筆者は、その概念すらもしっかりと理解していなかったのである。  結果として筆者は、「医療の質」を定義し、そしてその後進んだ博士の研究テーマを決める

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