読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
人体から触れる多様性の理解
第153回
大西一幸
2020年9月15日号
人体は流転する 医学書が説明しきれないからだの変化
ギャビン・フランシス、鎌田彷月訳、原井宏明監修、みすず書房、2020年4月刊
ギャビン・フランシスの著書を読むのは2回目だ。前回の『人体の冒険者たち』(19年1月1日号)で、私は自分の若い日の記憶を辿ったが、今回も自分の身体の変転と、積み重なった経験知に思いを伴走させつつ、著者の読書量の豊かさと博識に圧倒された。
前回は身体部位をモチーフとして、患者のエピソードや古典からの引用を武器にしたドラマティックな展開や、医学的立場からの考察を加えるストーリーで構成されていた物語だが、今回の『人体は流転する』は症状や疾病名、疾患以外の身体への人々のアプローチなどを主題に、それぞれの物語が用意されている。例えば、「拒食症―自制にとらわれて」「巨人症―トリノにそびえし者たち」「タトゥー︱...
人体は流転する 医学書が説明しきれないからだの変化
ギャビン・フランシス、鎌田彷月訳、原井宏明監修、みすず書房、2020年4月刊
ギャビン・フランシスの著書を読むのは2回目だ。前回の『人体の冒険者たち』(19年1月1日号)で、私は自分の若い日の記憶を辿ったが、今回も自分の身体の変転と、積み重なった経験知に思いを伴走させつつ、著者の読書量の豊かさと博識に圧倒された。
前回は身体部位をモチーフとして、患者のエピソードや古典からの引用を武器にしたドラマティックな展開や、医学的立場からの考察を加えるストーリーで構成されていた物語だが、今回の『人体は流転する』は症状や疾病名、疾患以外の身体への人々のアプローチなどを主題に、それぞれの物語が用意されている。例えば、「拒食症―自制にとらわれて」「巨人症―トリノにそびえし者たち」「タトゥー︱変
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