長期政権の副作用が待ち受ける日本経済

税制面で優遇されたゾンビ企業の末路

2020年9月15日号

　8月末、持病の悪化を理由に「13年ぶり2度目」の辞任を発表した安倍晋三首相。7年8ヵ月に及んだ第2次安倍内閣が掲げた経済政策「アベノミクス」に対する各方面からの総括も、9月上旬までにほぼ出揃った。とりあえず最大公約数的にまとめると、2822日を数えた連続在職日数のうち前半は、円安・株高誘導によって企業業績が急回復し、雇用情勢も大幅な改善を見た。しかしながらその後は勢いが失速。国民の実質賃金水準は停滞し、2度にわたる消費税のアップも加わって所得・資産格差が進展し、その結果、持続的な経済成長はおろか、いの一番に掲げたデフレ脱却も果たせなかった──となる。　政権との蜜月関係を続けてきた日本経団連も、この結果に意外や手厳しい。自身もリンパ腫の再発で入院を強いられている中西宏明会長は、地球儀を俯瞰する外交を展開した点などの功を認めつつも、... 　8月末、持病の悪化を理由に「13年ぶり2度目」の辞任を発表した安倍晋三首相。7年8ヵ月に及んだ第2次安倍内閣が掲げた経済政策「アベノミクス」に対する各方面からの総括も、9月上旬までにほぼ出揃った。とりあえず最大公約数的にまとめると、2822日を数えた連続在職日数のうち前半は、円安・株高誘導によって企業業績が急回復し、雇用情勢も大幅な改善を見た。しかしながらその後は勢いが失速。国民の実質賃金水準は停滞し、2度にわたる消費税のアップも加わって所得・資産格差が進展し、その結果、持続的な経済成長はおろか、いの一番に掲げたデフレ脱却も果たせなかった──となる。　政権との蜜月関係を続けてきた日本経団連も、この結果に意外や手厳しい。自身もリンパ腫の再発で入院を強いられている中西宏明会長は、地球儀を俯瞰する外交を展開した点などの功を認めつつも、「

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