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医工連携

抗PD−1抗体に相棒を発見

医工連携の実践者28 喜納宏昭 ナノ医療イノベーションセンター主幹研究員

2020年9月15日号

 8月はじめ、川崎市ナノ医療イノベーションセンターなどの研究チームによって、5年生存率約1割と脳腫瘍のなかでも最も予後の悪いグリオブラストーマ(膠芽腫)の有効な治療法へつながるかもしれない論文が『ACS Nano』誌に掲載された。  膠芽腫細胞を脳へ植え込んだモデルマウスに、抗がん薬エピルビシンを内包したナノミセルと免疫CP阻害剤の抗PD―1抗体を併用したら著効したというものだ。エピルビシンは単剤だと毒性が強く使いづらい薬だが、今回のナノミセルはエピルビシン単剤の約165倍も腫瘍に集積、一方で胸腺や脾臓など免疫を担う臓器の損耗は低く抑えられた。この結果、膠芽腫細胞が選択的に傷害されるとともに、そこから放出された抗原に、健全性を保ったままの免疫が反応したと考えられる。  さらに、この併用療法で膠芽腫が完全寛解したマウス14頭の...  8月はじめ、川崎市ナノ医療イノベーションセンターなどの研究チームによって、5年生存率約1割と脳腫瘍のなかでも最も予後の悪いグリオブラストーマ(膠芽腫)の有効な治療法へつながるかもしれない論文が『ACS Nano』誌に掲載された。  膠芽腫細胞を脳へ植え込んだモデルマウスに、抗がん薬エピルビシンを内包したナノミセルと免疫CP阻害剤の抗PD―1抗体を併用したら著効したというものだ。エピルビシンは単剤だと毒性が強く使いづらい薬だが、今回のナノミセルはエピルビシン単剤の約165倍も腫瘍に集積、一方で胸腺や脾臓など免疫を担う臓器の損耗は低く抑えられた。この結果、膠芽腫細胞が選択的に傷害されるとともに、そこから放出された抗原に、健全性を保ったままの免疫が反応したと考えられる。  さらに、この併用療法で膠芽腫が完全寛解したマウス14頭の脳

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