現場が望む社会保障制度
ウィズ・コロナを考える(中):保健所の機能強化
第65回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2020年10月1日号
新型コロナウイルスの感染者が増加し続けるなか、感染症に脆弱な医療制度の問題点が浮き彫りとなっている。そのひとつとして、公衆衛生や感染症対策の最前線を担う保健所の機能低下が問題視されており、理由として行政改革の影響が指摘されている。実際、保健所の数は90年代以降、急減しており、こうした保健所の機能低下がPCR検査の目詰まりの一因とされている。
しかし、いくら行政改革が進められても、「保健所は重要」と認識されていれば、ここまでの減少を見なかったかもしれない。むしろ、筆者は疾病構造の変化や地方分権など別の要因に注目している。そこで、今回はコロナとの長期戦を意識する「ウィズ・コロナ」関係の第2回として、保健所をめぐる論点を考える。
敗戦直後、感染症対策を含めた公衆衛生は医療制度の中心を占めていた。例えば、占領軍による指示の...
新型コロナウイルスの感染者が増加し続けるなか、感染症に脆弱な医療制度の問題点が浮き彫りとなっている。そのひとつとして、公衆衛生や感染症対策の最前線を担う保健所の機能低下が問題視されており、理由として行政改革の影響が指摘されている。実際、保健所の数は90年代以降、急減しており、こうした保健所の機能低下がPCR検査の目詰まりの一因とされている。
しかし、いくら行政改革が進められても、「保健所は重要」と認識されていれば、ここまでの減少を見なかったかもしれない。むしろ、筆者は疾病構造の変化や地方分権など別の要因に注目している。そこで、今回はコロナとの長期戦を意識する「ウィズ・コロナ」関係の第2回として、保健所をめぐる論点を考える。
敗戦直後、感染症対策を含めた公衆衛生は医療制度の中心を占めていた。例えば、占領軍による指示のもと
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