医薬経済オンライン

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「ワクチン・ナショナリズム」の最果て

国際協調を顧みない米中露の覇権争い

2020年10月1日号

 現在、世界では3つの新型コロナウイルス感染症(COVID︱19)ワクチンが第Ⅲ相試験段階に到達している。まだ開発は成功していないにもかかわらず、英国や米国、そして日本といった裕福な国々は、すでに開発企業と事前に購入契約を締結している状況だ。  米国は製薬企業6社から約8億回分、英国は5社から2.8億回分購入することで合意した。EUはこのほかにオックスフォード大学が開発したワクチン候補の3億回分の購入について英アストラゼネカと、また、別契約で仏サノフィと3億回分のワクチンの購入を決めた。  事前合意により、ワクチンがごく一部の先進国のみ入手可能となり、購入できない国との差が広がっていく様相は、「ワクチン・ナショナリズム」と揶揄される。限られた供給量を戦略的かつグローバルに共有することがなければ、1960年代の南北問題...  現在、世界では3つの新型コロナウイルス感染症(COVID︱19)ワクチンが第Ⅲ相試験段階に到達している。まだ開発は成功していないにもかかわらず、英国や米国、そして日本といった裕福な国々は、すでに開発企業と事前に購入契約を締結している状況だ。  米国は製薬企業6社から約8億回分、英国は5社から2.8億回分購入することで合意した。EUはこのほかにオックスフォード大学が開発したワクチン候補の3億回分の購入について英アストラゼネカと、また、別契約で仏サノフィと3億回分のワクチンの購入を決めた。  事前合意により、ワクチンがごく一部の先進国のみ入手可能となり、購入できない国との差が広がっていく様相は、「ワクチン・ナショナリズム」と揶揄される。限られた供給量を戦略的かつグローバルに共有することがなければ、1960年代の南北問題さ

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