医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

医政羅針盤

安倍政権の回顧と菅政権の展望

山形大学大学院医学系研究科 医療政策学講座教授 村上正泰

2020年10月1日号

 憲政史上最長の在任期間を達成した安倍晋三首相が突然退陣することとなった。第2次政権誕生以降の内政は、いわゆる「アベノミクス」で特徴付けられる。具体的には、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略、という「3本の矢」から構成されるが、従来の経済政策との違いが顕著に見られたのは金融政策においてである。  第2次政権発足直後の13年1月には、政府と日本銀行が2%の物価安定目標を導入するという「共同声明」を発表し、黒田東彦日銀総裁の下、4月には「異次元の金融緩和」が実行に移された。  しかし、金融市場に一定のインパクトをもたらすことはできたものの、金融緩和だけで経済成長を実現できるものではない。実質的に見れば、金融緩和には、国債増発による長期金利上昇を防止するという、政策協調の間接的な効果の意...  憲政史上最長の在任期間を達成した安倍晋三首相が突然退陣することとなった。第2次政権誕生以降の内政は、いわゆる「アベノミクス」で特徴付けられる。具体的には、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略、という「3本の矢」から構成されるが、従来の経済政策との違いが顕著に見られたのは金融政策においてである。  第2次政権発足直後の13年1月には、政府と日本銀行が2%の物価安定目標を導入するという「共同声明」を発表し、黒田東彦日銀総裁の下、4月には「異次元の金融緩和」が実行に移された。  しかし、金融市場に一定のインパクトをもたらすことはできたものの、金融緩和だけで経済成長を実現できるものではない。実質的に見れば、金融緩和には、国債増発による長期金利上昇を防止するという、政策協調の間接的な効果の意味合

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence