医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

三重大麻酔科の不祥事にみる奨学寄付金の魔力

第28回

医療ガバナンス研究所医師  尾崎章彦

2020年10月15日号

 20年8月に公開した17年のマネーデータベースの使い方に関連して、今回は一部メディアで報道された、三重大学臨床麻酔部と小野薬品の関係について取り上げたい。 三重大の発表や報道などを総合すると、同大准教授である境倫宏氏が、実際には患者に使用していないランジオロール塩酸塩についてカルテを改竄し、診療報酬を不正請求していたことが指摘されている。カルテ改竄は18年から20年まで約2200症例、請求総額は2800万円を超えていた。さらに、教授の亀井政孝氏が積極的に当該薬剤を使用するよう誘導していたこと、亀井氏が製薬企業からの寄付金を期待していた可能性も示唆されている。なお、亀井氏は薬が廃棄されていたことは知らなかったと弁明している。 ランジオロール塩酸塩のジェネリックは現時点で販売されていないため、三重大で使用された当該薬物はすべて小野薬品が販売する「オノアクト...  20年8月に公開した17年のマネーデータベースの使い方に関連して、今回は一部メディアで報道された、三重大学臨床麻酔部と小野薬品の関係について取り上げたい。 三重大の発表や報道などを総合すると、同大准教授である境倫宏氏が、実際には患者に使用していないランジオロール塩酸塩についてカルテを改竄し、診療報酬を不正請求していたことが指摘されている。カルテ改竄は18年から20年まで約2200症例、請求総額は2800万円を超えていた。さらに、教授の亀井政孝氏が積極的に当該薬剤を使用するよう誘導していたこと、亀井氏が製薬企業からの寄付金を期待していた可能性も示唆されている。なお、亀井氏は薬が廃棄されていたことは知らなかったと弁明している。 ランジオロール塩酸塩のジェネリックは現時点で販売されていないため、三重大で使用された当該薬物はすべて小野薬品が販売する「オノアクト」

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