躍動するヘルスデータサイエンス
「患者の視点」が持つ意味
第10回 日本語版DRSの検証と倫理的配慮の重要性
独立行政法人国立病院機構東京医療センター 政策医療企画研究部 臨床疫学研究室 研究員 丹野清美
2020年10月15日号
吐血して救急搬送・入院するという衝撃の出来事から約半年間の療養を経て、筆者の研究は再スタートした。前回(9月15日号)は、外国語でつくられた尺度「Decision Regret Scale(DRS)」の翻訳は、単純に対応する日本語へ置き換えれば済むという話ではなく、やはり翻訳にも「お作法」(手順)が存在するということを述べた。ここでそのお作法について紹介したい。
手順としては、図1のとおりだ。まず筆者がDRS英語版の日本語翻訳を手がけ(手順1)、日本人の医療者に修正してもらい(手順2)、英語ネイティブにこれを英語へ逆翻訳してもらう(手順3)ことで暫定版が完成する。この暫定版を原作者に送り、原作の記載と齟齬がないか、確認と了承を得るのだ。
次に、暫定版を使用した計量心理学的評価のための調査(実際の患者を相手に暫定版で測り、分析)だ(手順4)。この...
吐血して救急搬送・入院するという衝撃の出来事から約半年間の療養を経て、筆者の研究は再スタートした。前回(9月15日号)は、外国語でつくられた尺度「Decision Regret Scale(DRS)」の翻訳は、単純に対応する日本語へ置き換えれば済むという話ではなく、やはり翻訳にも「お作法」(手順)が存在するということを述べた。ここでそのお作法について紹介したい。
手順としては、図1のとおりだ。まず筆者がDRS英語版の日本語翻訳を手がけ(手順1)、日本人の医療者に修正してもらい(手順2)、英語ネイティブにこれを英語へ逆翻訳してもらう(手順3)ことで暫定版が完成する。この暫定版を原作者に送り、原作の記載と齟齬がないか、確認と了承を得るのだ。
次に、暫定版を使用した計量心理学的評価のための調査(実際の患者を相手に暫定版で測り、分析)だ(手順4)。この調
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