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時流遡航

哲学の脇道遊行記 実践的思考法の裏を眺め楽しむ

第26回 ─主観と客観という対照的概念の背景を考える(続)─

本田成親

2020年10月15日号

  人間をはじめとする個々の生命体の本質や、それに付随する認識様態などにまったく左右されることのない「絶対的な事象像」、すなわち純然たる「客観」なるものがの存在するとすれば、それを求め、それがもたらす知見に依存したくなるのは当然のことでしょう。極めて客観的だと評されたりする何らかの主張や見解を前にすると、ついついそれらを無条件で信じたくなるものですし、周囲から、あなたの思考は客観的だとか、あなたの態度は客観的だとか告げられたりすると、何となくいい気分になったりしてしまいがちです。しかしながら、一歩引いて冷静に考えてみると、たとえそれがどんなに望ましいものであり、我われにとっていかに不可欠に思われる存在であったとしても、「客観」という概念はそれほど安易に得られるものではないことが明らかになってくるのです。折角ですから、この際、その問題にも...   人間をはじめとする個々の生命体の本質や、それに付随する認識様態などにまったく左右されることのない「絶対的な事象像」、すなわち純然たる「客観」なるものがの存在するとすれば、それを求め、それがもたらす知見に依存したくなるのは当然のことでしょう。極めて客観的だと評されたりする何らかの主張や見解を前にすると、ついついそれらを無条件で信じたくなるものですし、周囲から、あなたの思考は客観的だとか、あなたの態度は客観的だとか告げられたりすると、何となくいい気分になったりしてしまいがちです。しかしながら、一歩引いて冷静に考えてみると、たとえそれがどんなに望ましいものであり、我われにとっていかに不可欠に思われる存在であったとしても、「客観」という概念はそれほど安易に得られるものではないことが明らかになってくるのです。折角ですから、この際、その問題にもう一

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