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話題の焦点

「アルコール依存症支援策」

2020年10月15日号

  地獄の極限の世界を見たいと思うならばアルコール依存症患者のいる家庭を見よ、という話がある。アルコール依存症は、単に本人だけにとどまらず、家族全員を病気状態に巻き込んでしまう深刻さがとくに問題だ。 診療目的は、本人が断酒の意志を固めることにあるが、これまでは依存症に伴う極限状態を徹底的に味わわせてからでないと、治療が中途半端になるという考え方が支援の中枢にあった。 だが、ドン底まで放置してしまうと、そこから這い上がる気力がまったく消え失せ、自殺という取り返しのつかない選択も心配になる。 そこで、断酒ではなく、本人が少しでも減酒の意向を示したときから支援を始めることが必要だとする考え方に最近は変わってきた。 つまり、「底付き」を体験させるより、「底上げ」を強く意識させるほうが大事であると治療の専門家は説いている。(福島県立医科大学・大島...   地獄の極限の世界を見たいと思うならばアルコール依存症患者のいる家庭を見よ、という話がある。アルコール依存症は、単に本人だけにとどまらず、家族全員を病気状態に巻き込んでしまう深刻さがとくに問題だ。 診療目的は、本人が断酒の意志を固めることにあるが、これまでは依存症に伴う極限状態を徹底的に味わわせてからでないと、治療が中途半端になるという考え方が支援の中枢にあった。 だが、ドン底まで放置してしまうと、そこから這い上がる気力がまったく消え失せ、自殺という取り返しのつかない選択も心配になる。 そこで、断酒ではなく、本人が少しでも減酒の意向を示したときから支援を始めることが必要だとする考え方に最近は変わってきた。 つまり、「底付き」を体験させるより、「底上げ」を強く意識させるほうが大事であると治療の専門家は説いている。(福島県立医科大学・大島講師

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