薬のおカネを議論しよう
高額医薬品を巧みに風刺する大ヒット中国映画
第29回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2020年11月1日号
20年10月16日から『薬の神じゃない!(原題:我不是薬神)』が日本でも封切られた。高額医薬品をめぐるドタバタを描いた中国発のコメディ映画だ。18年に公開された本国での累計興行収入は約500億円に及ぶという。19年の中国映画市場は1兆円を超え、日本の約4倍、北米にも比肩する規模に成長している。それでもこの『薬神』はメガヒットと言えるレベルで、中国映画史に残る名作と評されている作品だ。
興味深いのは、ありがちな愛国映画ではなく、高額医薬品問題を風刺しつつ、ともすれば深刻で難しくなるテーマを気軽に楽しめる社会派エンタメ作品に昇華させたことだ。前々回ご紹介した小説『モテ薬』と同様、この映画も現実に起きた事件をモチーフにしている。
江蘇省無錫市に住む陸勇氏が慢性骨髄性白血病(CML)に罹患、特効薬の「グリベック」(イマチニブメシル酸塩...
20年10月16日から『薬の神じゃない!(原題:我不是薬神)』が日本でも封切られた。高額医薬品をめぐるドタバタを描いた中国発のコメディ映画だ。18年に公開された本国での累計興行収入は約500億円に及ぶという。19年の中国映画市場は1兆円を超え、日本の約4倍、北米にも比肩する規模に成長している。それでもこの『薬神』はメガヒットと言えるレベルで、中国映画史に残る名作と評されている作品だ。
興味深いのは、ありがちな愛国映画ではなく、高額医薬品問題を風刺しつつ、ともすれば深刻で難しくなるテーマを気軽に楽しめる社会派エンタメ作品に昇華させたことだ。前々回ご紹介した小説『モテ薬』と同様、この映画も現実に起きた事件をモチーフにしている。
江蘇省無錫市に住む陸勇氏が慢性骨髄性白血病(CML)に罹患、特効薬の「グリベック」(イマチニブメシル酸塩)を
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