医薬経済オンライン

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読む医療ー医師が書いた本の斜め読みー

人間を知るAIは現れない

第156回

大西一幸

2020年11月1日号

エリック・トポル中村祐輔監訳/柴田裕之訳、NTT出版2020年5月刊  第2次大戦が終わってから4年後に、私は生まれた。70年の大阪万博のときは20歳だった。60年代後半から70年代の混沌と経済成長を目の当たりにしながら若い時代を過ごしたが、当然ながらデジタル世界ではなかった。ベビーブーマーは大抵、音楽好きだったので、ステレオに夢中になった。アンプは真空管、テープデッキはオープンリール、部屋に4つのスピーカーを置いて、臨場感を得ることに夢中だった。弘田三枝子の訃報に接して、最初に頭に浮かんだのは彼女のジャズライブのLP。デジタル機器に最初に接したのは何だろうか。ワープロか。しかし、最初のワープロは基本的にはアナログ仕様だった気もする。  今回の読書は、デジタルとは最も距離の遠い世代である私が選択していいのだろうか、と書棚に手を伸ば... エリック・トポル中村祐輔監訳/柴田裕之訳、NTT出版2020年5月刊  第2次大戦が終わってから4年後に、私は生まれた。70年の大阪万博のときは20歳だった。60年代後半から70年代の混沌と経済成長を目の当たりにしながら若い時代を過ごしたが、当然ながらデジタル世界ではなかった。ベビーブーマーは大抵、音楽好きだったので、ステレオに夢中になった。アンプは真空管、テープデッキはオープンリール、部屋に4つのスピーカーを置いて、臨場感を得ることに夢中だった。弘田三枝子の訃報に接して、最初に頭に浮かんだのは彼女のジャズライブのLP。デジタル機器に最初に接したのは何だろうか。ワープロか。しかし、最初のワープロは基本的にはアナログ仕様だった気もする。  今回の読書は、デジタルとは最も距離の遠い世代である私が選択していいのだろうか、と書棚に手を伸ばし

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