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医工連携

糖鎖の抗体を効率よく作成

医工連携の実践者31 奥田徹哉 産業技術総合研究所生物プロセス研究部門主任研究員

2020年11月1日号

 多くの感染症で病原体が宿主細胞に入り込む際、細胞表面の特定の糖鎖構造をターゲットにしていることがわかってきている。また、がんや希少疾患の多くで細胞表面の糖鎖に変化が起きていることも知られている。  なので、これから疾病の診断や治療を飛躍的に向上させるには、糖鎖の深い理解が欠かせない。それは多くの研究者が一致するところながら、同じように生命情報を乗せた鎖である核酸やタンパク質に比べて研究の進みは極めて遅い。  遅れの大きな理由は、分子生物学の研究で対象を捕まえるのに頻用されている哺乳類の抗体を糖鎖相手になかなかつくれず、シークエンスとデータベースの作成に大変な時間がかかっていることだ。哺乳類では糖鎖を認識する免疫システムがあまり発達しておらず、糖鎖で強い免疫応答を起こせないので、抗体もつくれない。  とこ...  多くの感染症で病原体が宿主細胞に入り込む際、細胞表面の特定の糖鎖構造をターゲットにしていることがわかってきている。また、がんや希少疾患の多くで細胞表面の糖鎖に変化が起きていることも知られている。  なので、これから疾病の診断や治療を飛躍的に向上させるには、糖鎖の深い理解が欠かせない。それは多くの研究者が一致するところながら、同じように生命情報を乗せた鎖である核酸やタンパク質に比べて研究の進みは極めて遅い。  遅れの大きな理由は、分子生物学の研究で対象を捕まえるのに頻用されている哺乳類の抗体を糖鎖相手になかなかつくれず、シークエンスとデータベースの作成に大変な時間がかかっていることだ。哺乳類では糖鎖を認識する免疫システムがあまり発達しておらず、糖鎖で強い免疫応答を起こせないので、抗体もつくれない。  ところ

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